潜水艦「はくりゅう」の「ばっちり海老チリ」はグルタミンを入れる!?
2020年にそうりゅう型の後継となる潜水艦「たいげい」が就役したんだけど、潜水艦で働く隊員は毎日何を食べているんだろう?
海上をゆく護衛艦や輸送艦とは違うメニューなのかな?
ここでは潜水艦「はくりゅう」のメニューを参考に潜水艦の食事について紹介していくよ。
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目次
リッチな潜水艦の食事事情!?
そもそも潜水艦とは戦国時代で例えるなら忍者のような存在。
イージス艦や空母と違って、1度海中に潜ったら海の上に出るチャンスはほとんどないんよー
理由は海上に出てしまうと地球を回る通信衛星に写ってしまうから。
いわゆる隠密行動が潜水艦の役目。
そのため食材を持ち込むとき、レトルトパックにしたりして、なるべく軽量化する。その梱包で費用がかかるから、海上艦より食費が多く割り当てられているわけ。
さらに潜水艦は艦内がとっても狭くて、スペースを節約して使わないと全員分の食材を賄えなくなってしまう。
床の下やイスの中など、様々なところに収納があるんよー
艦内で海老チリは人気のメニュー!
普通に購入するとエビは高い。
そんな中、どうにか工夫して潜水艦でも海老チリを、と考え出されたのが潜水艦「はくりゅう」の「ばっちり海老チリ」なんよー
調理のコツは冷凍のエビを解凍して水分をしっかりとる。そのときに隠し味として、日本酒と塩とグルタミンを入れるんだ。
グルタミンはタンパク質を含むアミノ酸の1種。おいしさと栄養が詰まっているんだ。
ウチの潜水艦カレーにも入れようかな。
揚げる温度は170度から180度の中温。黄金色になったらエビは完成じゃ。
それから、フライパンに油を張って、ニンニクや生姜、豆板醤(トウバンジャン)を入れてタレを作る。
そこにケチャップと砂糖と水を入れて、一煮立ち。
仕上げに片栗粉とごま油、そして揚げたエビを混ぜれば完成となるわけ。
調理担当の努力の甲斐もあって、このエビチリは「はくりゅう」でも一番人気のメニューとなったんよー
「潜水艦はくりゅう」の動力は通常型
ニュースや映画で「原子力潜水艦」を耳にした人もいると思うんだけど、潜水艦の「はくりゅう」は通常動力型。原子力は使っていないんだ。
ディーゼルエンジンの他、スターリングエンジンと蓄電池、そして交流の電動機で動いているんよー
実は第二次世界大戦以前の潜水艦と同じ仕組みなんじゃ
それだけに当時の開発者の腕の良さを伺えるね。
潜水艦は海中のスパイ。
建設費用のほかにエンジン音が静かなのも大切なポイントなんだ。
敵の潜水艦に発見されそうになるとエンジンを全て切って、やり過ごすと言う作戦もあるほど。
それぐらい潜水艦にとって音を出さないようにするのは重要なんじゃ。
もちろん原子力潜水艦の方が長い間潜れるけれども、放射能漏れの危険や建設費用の高さから「はくりゅう」のような通常動力型が現役で使われている国も多いんよー
また、「はくりゅう」と同じタイプの潜水艦で、「おうりゅう」や「とうりゅう」もあるんじゃけど、そっちはスターリングエンジンではなく、スマートフォンで使われている「リチウムイオン蓄電池」を搭載して注目を集めているんだ。
電気自動車ならぬ電気潜水艦だね。